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始業式の日のこと

この前の始業式の日のこと。



この日は授業がなかったので、始業式が終わったら、午前中にぞろぞろとみんな帰り始めた。
帰宅部であるぼくも帰り始めた。
校門を過ぎたあたりで、ふと、筆箱を教室の机の中に忘れたことを思い出した。
あれがないと、夜の塾で困るのだ。
寒いし走って教室に向かった。
僕の教室は7組。遠い。
廊下にはもう誰もいなくて、僕は7組までダッシュした。
そうしたら4組から突然男の声が聞こえた。



「ずっと、ずっと好きでした」



な、なにー、と足を一瞬止める。



「ご、ごめんなさい」



女性の声が聞こえた瞬間、僕はまた走り始めた。さっさと消えなければと本能がそう命令した。



気づいたら下駄箱にいた。筆箱は取りに行けなかったが、まぁいいやってことになった。



みんな青春してるなー。

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