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大富豪が実践しているお金の哲学

 『大富豪が実践しているお金の哲学』で『鬼速PDCA』を加速する




 『鬼速PDCA』(著:冨田和成さん)は、その純白な表紙カバーに、丸っこい字で「鬼速PDCA」と書いてあるのが特徴的だ。鬼のように速いPDCAと言われると、なんだか怖い気持ちになってしまうが、このかわいいフォントと落ち着く色合いでバランスが取れ「自分にもできるかもしれないな〜」と深層心理で思わせてくれる。ということで、私はこの本を白本(しろほん)と読んでいるのだ。

 実は『鬼速PDCA』ファンの間では、黒本(くろほん)という白本の副読書なるものが存在することが知られている。それが同じ著者の方によるもう一冊の本、『大富豪が実践しているお金の哲学』である。こちらは黒の表紙に金色の文字なので、黒本と呼んでいる。

 著者の方は起業前の証券会社勤務時代に、富裕層向けのプライベートバンキング業務に携わっていたとのこと。プライベートバンキングとは、金融機関が超富裕層向けに提供する資産運用・資産管理のサービスの総称らしい。つまり、世界のトップレベルの大富豪の大事な資産を預かり、信頼関係を構築して行く中で、著者が見てきた驚きの富裕層の世界がこの本にはまとまっている。

 その中で、「22歳だったときの自分に何を教えてあげたいか、一般ビジネスパーソンにとって役に立つことはなんだろうか」という視点で書かれているとのこと。実際に目線の高い話がたくさん出てきて参考になる。

 今回のブログ記事は、黒本の内容を理解し実践することで、『鬼速PDCA』をさらに加速するためのヒントを得よう、というのが主旨である。お金の使い方、健康や食事、運動、コミュニケーション、ファッションなど45個の大富豪TIPSが紹介される形式の本だが、その中から『鬼速PDCA』にも役立ちそうな8個に絞ってそれらを身に着けていきたい。

 ちなみに、白本と黒本の他にも、「赤本」(あかほん)というものも存在する。これは白本の『鬼速PDCA』をボロボロになるまで読み返していくと、表紙のカバーがそのうち破れてしまい、中から真っ赤の『鬼速PDCA』本が現れるのだ。

 ただ、私は残念ながらまだ白本レベルである。ふと考えてみると、表紙がボロボロになって破れてしまうまで読み込んだことは人生で1,2回しかないかな。しかもそれだけ読み込んだというよりは、その時使っている鞄の設計が安っぽくて、移動中にどんどん擦れていき破れたというパターンが多い…。

 じゃあ、当然気になるのが、黒本をボロボロになるまで読み込んだら、何本になるのだ?今まで確認したことはなかったが、今確認してみた。答えは「金本」だ笑。金色の表紙に白い文字。

 話が逸れてしまった。それでは、黒本の内容で白本に活かせる部分を少し見ていこう!!

節約術:大富豪は大きな支出だけ抑える


節約するとき

一般人は、毎日の食費を削る
小金持ちは、入った分だけ使い切る
大富豪は、大きな支出だけ抑える

 ここでは、節約の話が取り上げられている。倹約を重視しすぎると、「将来リターンが期待できる支出まで控えてしまう恐れ」があり、「若い世代は投資の回収期間が長いわけですから、細々とお金を貯める行為は効率が悪い」とのこと。さらに、「血眼になって1円単位でお金を貯めても効果は限定的」。そして次の例が面白い。

 「今月ピンチなので」と言って500円のランチ代を200円にしたところで月に6000円しか浮きません。その程度の節約なのであれば、むしろバランスの取れた食事をした方が、長い期間で考えれば利回りが良いはずです。体調を崩せば収入が途絶えますし、医療費もかかりますからね。
 しかも、そういう細々とした節約をする人に限って、平気で飲み会に参加してタクシー代を含めて1〜2万円使ってしまうこともあります。「コントロールすべきはそこだろう」と言いたいわけです。

 この例が面白い理由は、『鬼速PDCA』で出てくるタイムマネジメントの精神と同じだからである。タイムマネジメントでは既存の業務を1分1分と短縮していくことよりも、まずは「何を捨てられるか?」を真っ先に考えるべき、という話が出て来る。今回の節約の話は、1円単位の節約ではなく、まずは1万円単位の無駄使いをどうにかせよ、とある。これはタイムマネジメントの極意を抽象化し、「お金」の分野で具現化したものと言える。

 ある考え方や仕組み、成功体験という具体的事象を抽象化し、それを再現性のあるノウハウとして身につけるためには、帰納法・演繹法により抽象化と具体化を繰り返すスキルが必要だ、という話が著者の方のブログ記事でも出てくる。今回の節約の話とタイムマネジメントの話は、「最も効果の高いところを抑える」という意味で抽象化したレベルでは同じことを指しているような気がするし、『鬼速PDCA』でKPIやKDI、課題をそれぞれ最も効果の高い3つに絞る、という考え方も同じに見える。

車:大富豪はタクシーを使う


普段の移動で、

一般人は、公共交通機関を使う
小金持ちは、高級車を乗り回す
大富豪は、タクシーを使う

 現役の経営者でバリバリ結果を残している人ほど、公共交通機関をなるべく避け、基本はタクシー。さらには余裕がある人は運転手まで雇うとのこと。若い世代のベンチャー社長は9割型このパターンらしい!その理由は、

鉄道会社などが定めた時刻表や路線図に従うことが時間の消費になる。
都心部の朝夕の通勤ラッシュは貴重な資源である体力を消費させる。満員電車であれば仕事どころか本や新聞も読めない。
風邪が流行すれば、いつ感染するかわからないリスクもある。

 一方で、なぜ自家用車を利用しないかと言うと、

自分で運転すると事故のリスクが高まる。
自分で運転している間は仕事(または仮眠、食事)ができない。
とのこと。ここまでの話は超多忙ビジネスパーソンの生活パターンとして良く見聞きするが、この章の面白いところは次の部分だ:

年収が2000万円で、年間の労働時間が2000時間だとすると、その人の1時間あたりの価値は1万円です。この計算させできれば電車に乗って1000円節約するより、タクシーに乗って15分(2500円)を買ったほうが高利回りだと気付くでしょう。

 こういう計算を実際に行うのは超簡単だが、多くの人はココまで計算しない。「タクシーに乗るなんて贅沢すぎて、とてもできない」という常識に縛られていたとしても、実際にこういう計算をちょちょっとやってみると、全然贅沢ではなく、むしろ自分の時間をドブに捨てていることに気づける。

 もう一つこの話を読んでいて思ったのが、ココで「この話は大富豪の話で、自分には関係ない」と思ってしまいがちだということ。私も最初に読んだときはスルーしたが、先程の抽象化・具現化のスキルと合わせれば、ココでどれだけ自分ごととして捉えられるかが問われている。これは昨日のBMWについてのブログ記事で説明した「比喩的思考」が問われているとも言いかえられる。


 例え年収が2000万、もしくは近い将来2000万は期待できない人であっても、「自分の人生ではこの話をどう転用できるのか?実際に自分の時給はいくらか?」などと考えるだけならすぐにできる。

自宅:大富豪は会社の近くで借りる


自宅を

一般人は、郊外に買う
小金持ちは、高級住宅街に買う
大富豪は、会社の近くで借りる

さらに少し引用すると、

 私の現在の交友関係は30代や40代の経営者が中心になるのですが、みんな揃いも揃って自分の会社の近くに住んでいます。保有する会社の株の価値だけで何十億円もの資産を持っているのにママチャリで通勤する社長もいますし、オフィスが入っているビルの別フロアに住居を構える「徒歩0分」の猛者もいます。
 そういった社長たちに起業する前の住居を聞いてみると、やはりというべきか、勤めていた会社の近くに住んでいた人の割合が異様に高いのです。


 会社の近くに住むことに対しては私も同感。社畜感が高まることを敬遠する人もいるが、私はむしろクオリティ・オブ・ライフが劇的に向上すると思う。本にも書いてあるが、都会に住んでいれば人付き合いも活発になるし、ラッシュでクタクタになることもない。ちなみに、会社の近くに住んだ場合とそうでない場合のシミュレーションは以前、ブログで紹介したので、こちらも是非。


食事:大富豪は栄養バランスを重視する


会食の場で、

一般人は、肉料理を優先する
小金持ちは、星の数で選ぶ
大富豪は、栄養バランスを優先する

この章も面白かった。大富豪がいかに健康にお金を惜しまないか、として次の例が紹介されていた。

セコムが運営する会員制健康管理クラブ。「人間ドッグでは日本に数台しかない高精度の機械を使って、ガンの早期発見ができ」、入会金は200万円、年会費は50万円。
うほぉ、すごい。ほとんどの大富豪は食事にも大変気を遣うとのこと。そして面白いのが、著者の方の健康面に対する体験談のところ。引用すると:

 幼いときからサッカー漬けだった私は身体が強く、滅多に体調を壊さないタイプでした。それが、社会人になって体を酷使しすぎたせいか体調がすぐれない日が増え始め、入社3年目のときに人生で初めてインフルエンザにかかったのです。
 このような状態に危機感を持った私は、健康本を15冊ぐらい買って、一気に読み漁りました。すると自分の健康やコンディションニングについての意識がガラッと変わり、食生活もいっぺんしました。いまでは野菜が大好物です。

 この話を読んでから、私も健康・コンディショニングを極めるために、食事、運動、瞑想、頭痛、睡眠関連の本を読み漁っているが、それでも10冊にはまだ届いていない。少しずつ実践しようとしており、少なくとも以前よりかは生活が改善してきた。今後、さらに極めて行きたいと思っている。

運動:大富豪は、トライアスロンをする


運動するなら、

一般人は、ジョギングをする
小金持ちは、マラソンをする
大富豪は、トライアスロンをする

 ビジネス成功者は自分を律することが得意。そして、自制心が強くないと続けられない習慣として運動の話が取り上げられている。新しい世代の大富豪のなかには、オリンピックでも目指しているのかと驚いてしまうくらい本気で取り組んでいる人が多いとのこと。

 トライアスロンまで出場している経営者の例として、USENの宇野会長、ベネッセホールディングスの原田会長(黒本出版当時)、ローソンの玉塚社長、塚田農場で有名なエー・ピーカンパニーの米山社長、ホリエモンこと堀江貴文氏などらしい。さらに、トライアスロンの競技者のうち、約8%が経営者であるという調査結果も紹介されていた。

世間で「鉄人レース」と呼ばれる、この過酷な競技を通じて彼らが目指しているのは、鋼の体と強靭なメンタルを作り上げることであり、また自分の限界を突破し続けることで、お金では買えない確個たる自信や仕事への活力につながる充足感を得るためです。

ひえ〜!すごい。高まるぜ。

自己投資:大富豪は、給料の半分を使う


自己投資を

一般人は、ほとんどしない
小金持ちは、給料の2割を使う
大富豪は、給料の半分を使う

せっかく入った給料を何に使うか。遊びに使うのか、自己投資に使うのか。若いときほど、自分に投資した分を回収する期間が長くなるので、自己投資に使う割合を高くすべき、という話だ。なんと「給料の半分」という基準があるが、半分も自分の将来のために使うのは、結構高いのではないか。よし、私も自己投資の割合を計算してみよう。

休日:大富豪は、遊びながら仕事する


休日は

一般人は、気づいたら月曜日
小金持ちは、全力で遊び
大富豪は、遊びながら仕事する

 休日の使い方は何かと難しい。なかなか「コレだ!」と言えるものには出会っていない。

 だが、もっと良いスタイルを取り入れるヒントがこの章で得られたので、少し引用したい。

 ただ、ひとつ言えることは大富豪の共通点として、「仕事の時間」と「私生活の時間」をスパッと分断しないことが挙げられます。
 自分ごとで恐縮ですが、私の場合、毎週土曜はまるまるオフィスでの仕事の日にあてています。平日よりデスクワークに専念できるので圧倒的に仕事がはかどります。
 では日曜はどうかというと、気分のリフレッシュも兼ねて、ふらっと遠出をすることが多いです。私は海が好きなので湘南に1人で行くこともあります。
 そしてそこで仕事をします。
 潮風にあたりながら仕事をして、お腹が空いたら美味しい海産物を食べる。これだけで十分英気は養えますし、いつもと違う環境で仕事をしていると新しいアイデアが湧いてきたりします。

 これはかなり良さそう!一度、自分も試してみたい。

終わりに


 ということで、黒本の中から、白本の実践に活かせそうなところを紹介してみた。私の今後の課題としても、「土日に海に行って仕事をしてみる」「抽象化・具現化のスキルを磨く」「コンディショニング・健康の本をさらに数冊読む」「給料のうち、自己投資にまわしている金額の割合を算出する」などだ。


著者について

冨田和成(とみた・かずまさ)
株式会社ZUU 代表取締役社長 兼 CEO
神奈川県出身。一橋大学卒。大学在学中にIT分野にて起業。卒業後、野村證券にて数々の営業記録を樹立し、最年少で本社の超富裕層向けプライベートバンク部門に異動。
その後、シンガポールでのビジネススクール留学を経て、タイにてASEAN地域の経営戦略を担当。
2013年、「世界中の誰もが全力で夢に挑戦できる世界を創る」ことをミッションとして株式会社ZUUを設立。
FinTech企業の一角として、月間250万人を集める金融メディア「ZUU online」や、主要なピッチコンテストでも受賞歴のある投資判断ツール「ZUU Signals」で注目を集める。
これまでにシリコンバレーのベンチャーキャピタル含む総額5.5 億円の資金調達を行なう。
最近は金融機関のFintech推進コンサルティングやデジタルマーケティング支援なども行い、リテール金融のIT化を推進している。
ZUU online

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