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考える技術・書く技術

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
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●書く技術
○なぜピラミッド構造なのか

  • 適切なピラミッド構成をチェックする鉄則

    1. どのレベルであれ、メッセージはその下位グループ群を要約するものであること

    2. 各グループ内のメッセージは、常に同じ種類のものであること

    3. 各グループ内のメッセージは、常に論理的に順序付けられていること

      • 演繹の順序(大前提、小前提、結論)

      • 時間の順序(1番目、2番目、3番目)

      • 構造の順序(北から南、東から西、など)

      • 比較の順序(1番重要なもの、2番目に重要なもの、等等)


○ピラミッドの内部構造はどうなっているのか?

  • 主ポイントと補助ポイント間の縦の関係

    • ピラミッド構造ではQ&A形式の対話スタイルとなる

      • あなたのメッセージは必ず読み手に疑問を生じさせなくてはならず、その疑問は1段下のレベルで横並びで答えられなくてはならない。

  • 補助ポイント同士の横の関係

    • 機能的論理か演繹的論理か、どちらかの方法を用いて論理的に書く

  • 頂上ポイントは読み手の疑問に答える

  • 導入部のストーリー展開

    • 疑問の本質をはっきりさせる

      • 状況(Situation)

      • 複雑化(Complication)

      • 疑問(Question)

      • 答え(Answer)


○ピラミッド構造はどうやって作るのか?

  • ピラミッドを作る

    1. 主題(テーマ)を明らかにせよ

    2. 「疑問」は何かを決めよ

    3. 「答え」を書いてみよ

    4. 「状況」と「複雑化」によってその疑問が導かれるかどうかをチェックせよ

    5. 「答え」が妥当かをチェックせよ

    6. キーラインを埋める作業に取り掛かれ

  • トップダウン型アプローチ

    1. 箱を一つ描きなさい

    2. 「疑問」を書きなさい

    3. 「答え」を書きなさい

    4. 「状況」を明確にしなさい

    5. 「複雑化」へと発展させなさい

    6. 「疑問」と「答え」を再チェックしなさい

  • ボトムアップ型アプローチ

    1. あなたが言いたいポイントをすべてリストアップしなさい

    2. それらのポイント同士にどんな関係があるか考えなさい

    3. そこで結論を導きなさい

  • 初心者への注意

    1. まず、トップダウン型に考えをこうせいすることからはじめなさい

    2. 導入部を考える際には、「状況」をそのスタートポイントとして利用しなさい

    3. 導入部を考えることを省略してはいけません

    4. 過去の出来事は常に導入部に書きなさい

      • 単にここの出来事を記述することは、論理的思考とはいえない。考えやメッセージとはいえない。

    5. 導入部の記述は、読み手が合意する事項に限定しなさい。

    6. もし選べるのであれば、キーライン・レベルでは演繹法よりも帰納法を用いなさい。


○導入部はどう構成すればいいのか?

  • ストーリー形式について

    • なぜ、ストーリー形式なのか?

      • 読み手は合意できるポイントからよどみなく読み始めることで、あなたの考えに対してより柔軟な態度をとれます

    • 「状況」の記述をどこから始めるか?

      • 主題に関する記述からはじめる

      • 議論する余地のないポイントから始める

      • 読み手を特定の時間と場所に誘い込む

    • 「複雑化」とは何か?





      状況(主題に関して確認されている事実)複雑化(その次に起こった疑問へとつながる事柄)疑問
      しなければならない仕事があるその仕事の妨げになるようなことが起きたどうすればよいか?
      問題がある解決方法を知っている解決方法を実行するにはどうすればよいか?
      問題がある解決方法が提案されたそれは正しい解決方法か?
      行動をとったその行動は効果がなかったなぜ効果がなかったのか?

    • キーラインとは?

      • ピラミッドの「キーライン」の役割は、「主ポイント」に対して発せられる新しい「疑問」に答えを与えるだけでなく、文書内容の展開を明らかにすることでもある

    • キーラインに導入部は必要か?

      • それぞれのキーライン・ポイントにも導入部分があるべき

    • よい導入部を書くための理論

      1. 導入部とは、知恵を与えるためのものではなく、思い起こさせるためのものである。

      2. 導入部にはストーリーの3要素を常に含ませる

      3. 導入部の長さは読み手の必要性と文書のテーマによる

  • 導入部を書く

    • 「状況」を述べよ

    • その状況で、「複雑化」が発生し、

    • その複雑化が「疑問」を引き起こし

    • その疑問に対し、あなたの文書が「答え」を出す

  • いくつかの共通パターン

    • 方針を与える(何をすべきか? あるいは、どのように実行すべきか?)



      状況我々はXをしたい
      複雑化あなたにYをしてもらう必要がある
      疑問どのようにしてYを行うか?

    • 支出の承認を求める(それを実行すべきか?)



      状況我々は問題を抱えている
      複雑化我々は解決方法を有しているが、それには…ドルの出費がかかる
      疑問私は承認すべきか?

    • 「ハウツー」を説明する(それをどのように実行すべきか?)



      状況行動Xを実行しなければならない
      複雑化そのための体制ができていない
      疑問どのようにしてその体制を作るのか?




      状況現システムはXである
      複雑化これは適切に作動していない
      疑問どのように変えれば適切に動くようになるか?

    • 選択肢の中から決定する(何をすべきか?)



      状況我々はXをしたい
      複雑化そうするために、いくつかの選択肢がある
      疑問どの選択肢が最も適切か?

  • コンサルティングの場合

    • 提案書



      状況あなたは問題を抱えている。(問題状況を説明する文章を1つか2つ)」
      複雑化その問題を解決するために、第3者へ打診することを決めた。
      疑問我々は、問題解決のためにあなたが雇うべき第三者か?

    • 進捗状況報告書



      状況我々はあなたにXを伝えた
      複雑化あなたはYの調査を我々に依頼し、我々はそれを行った。
      疑問我々は何を見つけたか?


○演繹法と帰納法はどう違うのか

  • 論理的に理由付ける

    • 演繹法は1本の理由付けラインで展開する

    • 帰納法は類似の考えや関連する行動をグループ化する

    • キーラインレベルでは、帰納法の方が演繹法よりも望ましい



●考える技術
○ロジックの順序に従う

  • 論理的順序の種類

    • 時間の順序(自分の考えを述べるとき、プロセス・フローとして図示するならば)

    • 構造の順序(自分の考えを述べるとき、構造にコメントするならば)

    • 重要度の順序(自分の考えを述べるとき、分類を行うならば)

  • 行動の考えを配置する

    • 各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とせよ

    • 同一結果を導くアクション群を一つのグループとせよ

    • グループ化の根拠になるプロセスや構造を明らかにし、その順序に従い配置せよ

    • 見落としたアクション・ステップがないかどうかをチェックせよ

  • 状況の考えを配置する

    • 同じ種類で表現される考えを一つのグループとせよ

    • グループ化の根拠となる構造や分類を明らかにせよ

    • 各ポイントを主語・述語を備えた文章形式に書き直した後、配置の順序を決めよ

    • 見落としたポイントがないかどうかをチェックせよ



○グループ内の考えを要約する

  • 考えの類似性を発見する

    • 各考えがすべて同じテーマについて述べている

    • 各考えがすべて同じアクションを必要とする

    • 各考えがすべて同じ対象に対するアクションについえ述べている

    • 各考えがすべて同じ洞察結果を意味している

  • 行動の考えをリストする

    • 各ポイントを裸にし、類似のキーワードでグループ化せよ

    • 各グループのレベル(階層)の違いを明らかにせよ

    • 各ポイントは最終結果物をイメージできる表現とせよ

    • アクション群の実行から直接得られる結果を述べよ

  • 状況の考えをリストする

    • テーマ(主語)、具体的状況(述語)、目的(目的語)、意味するものなどの類似性を発見せよ

    • 各ポイントを出来るだけ狭くグループ化せよ

    • そのグループが何を意味するのか(推論)を述べよ



●問題解決の技術
○問題を定義する

  • 問題を定義する

    • 問題が発生した分野を目で見えるように図式化せよ

    • 今までの安定を覆すような出来事を述べよ

    • 望ましくない結果(R1)を明らかにせよ

    • 望ましい結果(R2)を具体的に述べよ

    • その問題を解決するために、今まで何らかのアクションが取られたかどうかを明らかにせよ

    • 分析の目的、すなわち分析により答えるべき疑問を明らかにせよ


○問題分析を構造化する

  • 分析を構造化する

    • 問題を定義せよ

    • 診断フレームワークを用い、問題分野の詳細構造を明らかにせよ

    • 問題の原因を仮説的に設定せよ

    • 設定した仮説の妥当性を証明(または否定)するデータを収集せよ

■著者プロフィール
バーバラ・ミント
ハーバード・ビジネススクール卒業後、マッキンゼー社に初の女性コンサルタントとして入社。文書作成に関する能力が認められ、ヨーロッパスタッフのレポート作成指導責任者となった。1973年に独立し、ピラミッド原則を用いたレポート作成、分析、プレゼンテーションなどの方法を教えている。世界の主要コンサルティング会社、さらにペプシコ、オリベッティ、AT&Tシステム、ユニリーバなどでライティングのコースを教えている 。

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